一週間のフランス

2012年02月22日 水曜日

朝一番

PSA、ゼネラルモーターズと業務統合を交渉か

ニュース専門サイトのLatribune.frは21日付で、仏自動車大手PSAが米ゼネラルモーターズとの間で業務統合に向けた交渉を進めていると報じた。非公式筋の情報として、数ヵ月前から交渉が進められており、かなり進んだ段階にあると報じた。交渉が順調に進めば、3月初旬のジュネーブモーターショーの機会に発表がなされる可能性があるという。PSAは欧州市場への依存度が高く、国際進出が遅れている。中国では1億4500万ユーロの営業利益を確保しているが、南米やロシアなどの新興市場では弱い。また、財政難を背景に、最近ではインドでの生産投資計画の延期を決めている。ゼネラルモーターズとの業務統合を実現できれば、国際進出の加速が期待できる。一方のゼネラルモーターズは、欧州事業(オペル及びボグゾール)で赤字が続いており、その建て直しが以前からの課題になっている。PSAとの業務統合からはこの点で大きなシナジー効果が期待できるが、欧州事業での厳しいリストラは不可避になると見られる。両社の統合に向けては超えるべきハードルも多い。PSAは企業規模がGMの半分と小さく、ただでさえ他社との資本提携に消極的なPSAの一族株主(資本の30.9%、議決権の48.3%を保有)が承認するかが鍵となる。GMの側では、救済を経て同社の株式5億株をまだ握っている米国政府がどのような対応を示すかが焦点となる。

日刊メディアダイジェスト

新聞業界、インターネット業界に利益の分配を要求

仏新聞業界団体(SPQN)は、インターネット業界(デジタル機器メーカー、検索エンジン、ISPなど)に課税し、収入をオンライン新聞・雑誌サイトに分配する制度の導入を提案する。大統領選挙に出馬する主要候補者らに導入案を提示する意向で、各候補に会談を要請する。SPQNは、オンライン新聞・雑誌サイトがインターネットの成功に大きく貢献しているのに、それによる利益はこれらサイトを素通りしていると主張している。SPQNによると、仏では、7つの主要情報サイトのうち6つが仏新聞・雑誌業界に由来している上、2位と8位につけるオレンジ・ニューズとヤフー・ニューズのコンテンツのうち30-40%は新聞・雑誌サイトに由来している。しかし、仏新聞・雑誌業界のオンライン事業による年間収入(2010年実績)は全体で2億8000万ユーロに留まっており、インターネット市場の全体の規模(年間100億ユーロ)と比べてわずかに過ぎない。SPQNはこれを踏まえて、まず、新聞・雑誌サイトへの付加価値税(VAT)税率を、紙媒体と同じ2.1%に引き下げるよう要請。次いで、インターネット業界への課税制度を導入し、収入をサイトに分配することを求めている。分配額としては、年間1億4500万ないし1億5000万ユーロを見込んでいる。

2012年02月21日 火曜日

朝一番

アルセロールミタルの仏工場、従業員が抗議行動を開始

鉄鋼世界大手アルセロールミタルの仏フロランジュ工場で20日、従業員が経営会議室を占拠する抗議行動を開始した。同工場の全労組(CFDT、FO、CGT、CGC)が揃って呼びかけ、200人程度の従業員が抗議行動に参加した。同工場の高炉のうち少なくとも1基の操業再開を要求している。同工場は、アルセロールミタルがロレーヌ地方に保有する工場のうちの一つ。ガンドランジュ工場は既に閉鎖され、フロランジュ工場でも、経営陣が高炉の操業再開の延期を先に決定、従業員らは、工場閉鎖に向けた布石と見て懸念を募らせている。ガンドランジュ工場はサルコジ大統領がかつて訪問し、工場の閉鎖はさせず、雇用を守るなどと約束した因縁の場所でもある。その後、ガンドランジュ工場は閉鎖され、フロランジュ工場の先行きも危ぶまれる中で、折しも大統領選挙のキャンペーンが正念場を迎えつつある。工場の労組は、経営側がサルコジ大統領に配慮し、大統領選をやり過ごしてから工場閉鎖を発表するつもりだと見て、工場と雇用を守るため、抗議行動で世論を喚起する考え。

日刊メディアダイジェスト

支払いサイト、延長に転じる兆しも

公的機関「支払いサイト観察局」の報告書によると、2010年の支払いサイト(当該事業体の年間売上高比で算定)は平均56.4日間となり、前年比で0.6日分短縮した。支払いサイトは2008年から2009年にかけては1.2日分短縮しており、短縮の勢いは顕著に鈍った。この公的機関の調査によると、企業の3分の1が60日間を超える支払いサイトを維持しており、全体的に状況は悪化する傾向があるという。この調査は、政府が企業の資金繰りを改善する目的で、2008年の法律により支払いサイトの上限を設定して以来、毎年実施されている。法律では、請求書の日付から60日間とするか、月末45日間(請求書の日付から45日後の月の月末とするか、請求書が発行された月の月末から45日間とするか、いずれか)とするか、2通りの上限が設定された。報告書によれば、法令の制定以降で得られた支払いサイトの短縮により、70億ユーロ分の運転資金が企業に注入された計算になるが、法令が厳格に遵守されれば、さらに110億ユーロ分の運転資金が大企業からサプライヤーに移転される(うち100億ユーロは中小企業)という。2011年末には、特殊事情を考慮して法令の適用の臨時除外を認められていた業界(国民経済の20%に相当)について、臨時除外措置が解除になっており、その後の支払いサイトの推移に注目が集まっている。

2012年02月20日 月曜日

朝一番

テレワークの普及に遅れ

テレワークのためのソリューションを提供するシトリックス・オンライン社が行った調査(仏企業の従業員1169人が対象)によると、87%の人が、テレワークは通常の就労形態と同等、又はそれ以上の生産性を達成できると回答している。反面、テレワークの可能性を認められていると答えた人は43.8%と少数派で、これは、上司が監督が行き届かなくなることを恐れてテレワークに消極的であることを物語っている。また、テレワーカーの63.7%はテレワークが月間に1週間以内となっており、混成型の就労形態が主流であることがわかる。なお、テレワークの推進を目的に、法令による明確な枠組み策定の動きが進んでおり、関連の議員立法法案は既に下院を通過、大統領選挙前に上院で可決される見通しとなっている。法案は、テレワークの定義(事務所等で行える業務を、ICT技術を利用して定期的かつ自発的に、労働契約の枠内で事務所等の外部で行うこと)を定め、従業員の権利(テレワークを拒否することで処罰の対象となってはならない)を定めている。また、「テレワークの実践に直接に関係する費用(機材、ソフトウェア、通信料金等)」を負担する義務を雇用主に貸しており、就労時間帯を明確に定めることなどを規定している。2002年の統計では、テレワーカーが占める割合は7%とされているが、その後に詳しい調査はなされておらず、現状については不明な点も多い。

日刊メディアダイジェスト

ADEME、水素自動車・燃料電池車の開発プロジェクトを募集

仏ADEME(省エネ庁)は14日、水素自動車及び燃料電池車の開発プロジェクトの募集を開始した。関心表明を7月12日まで募る。選定されたプロジェクトには、政府の公共投融資計画の枠内で資金が提供される。募集の対象となるプロジェクトは、水素を燃料とする燃料電池を動力とする自動車と、水素を内燃機関の燃料とする水素自動車の両方で、燃料電池システムと水素供給システム(タンク、配管、弁など)、搭載型の水素生成システム、水素自動車用の内燃機関及び関連装備などの開発プロジェクトを募集する。水素自動車及び燃料電池車の技術性能及び経済性の向上、実用条件における性能の認証、安全性の最適化を目的とするプロジェクトが選定され、将来的な実用化に向けた道筋を準備するプロジェクトであることが求められる。

2012年02月17日 金曜日

朝一番

SNCF、TGV(高速鉄道)購入オプションの行使を検討

国鉄SNCFは16日に取締役会を開き、2011年会計を承認した。この機会に、TGV(高速鉄道)40編成の購入オプションについて、行使の是非の検討に着手することを決めた。SNCFは2015年までに55編成のTGVをアルストムから購入する契約を結んでいる。これに加える形で、2016年からの引き渡し分として、最大40編成を購入するかどうかを決める。2階建て車両「ユーロ・デュプレックス」は1編成につき3000万ユーロ程度で、40編成だと総額で12億ユーロ程度に上る。なお、SNCFは、RFF(鉄道インフラ保有主体)に支払うインフラ使用料が大幅に引き上げられたことを理由に、保有するTGV車両について7億ユーロの減損処理を実施、これが祟り、2011年の純利益は1億2500万ユーロまで落ち込んでいる(2010年には6億9700万ユーロ)。SNCFはそれでも購入を検討する理由として、RFFとの協議の末にインフラ使用料の推移について合意が得られ、中期的な見通しが明確になったことを挙げている。9日に結ばれたこの合意では、2014年から2018年までの5年間の期間について、改定幅を「鉄道インフレ指数(保守費用等の推移を反映した指数)プラス0.3ポイント」以内に抑制することが決まった。ちなみに、SNCFは2011年に326億4500万ユーロの売上高と30億ユーロの営業利益を達成、増収増益を確保した。事業部門のうち、鉄道貨物輸送を含むジェオディス社だけは、約3億ユーロの営業赤字を記録している。

日刊メディアダイジェスト

ATR、27機の大型受注を獲得

地方航空向けのターボプロップ機を製造する欧州ATR(航空防衛宇宙大手EADSと伊フィンメカニカの合弁)は15日、開催中のシンガポール航空ショーで、インドネシアの格安航空ライオンエアの子会社ウイングス・エアから、27機のATR72-600を受注したと発表した。なお、ライオンエアは、ボーイングに対する大型発注を発表したばかり。ATR機は現在、世界で1200機が就航するが、うち250機強がアジア太平洋地域で就航。また、2005年以降の販売では、実に40%が同地域向けとなっている。ターボプロップ機は燃料費がリージョナルジェット機に比べて少なくて済むため、列車、バス、フェリーとの対抗を狙うアジア諸国の格安航空会社からの受注が多い。これまでのところ、競合企業はカナダのボンバルディアだけだったが、中国のAVICが2-3年後に、定員70-90人の地方旅客機の開発を発表しており、競争が今後、厳しくなることが予測される。ATR機は定員70人が上限であり、定員90人のターボプロップ機の開発を望んでいるものの、EADSとフィンメカニカの2株主から年内に開発許可が降りるのかどうかは明確になっていない。

2012年02月16日 木曜日

朝一番

サルコジ大統領、出馬の意志を正式表明

サルコジ大統領は15日夜、民放テレビTF1とのインタビューに応じて、大統領選挙に出馬する意志を正式に表明した。大統領は、嵐に差し掛かる中で船長が船を降りるわけにはゆかない、などと述べて出馬を正当化。民衆の声を反映させつつ強いフランスを実現し、世界の危機から国民を守るなどと抱負を語った。大統領は、名指しはしなかったが社会党のオランド大統領候補を、「体制側の候補」、「エリート層を代表する候補」と位置づけ、自らについては、民衆を代表する変革の候補、チャレンジャーとして大統領選に臨む意欲を示した。大統領は数日前の雑誌インタビューで明らかにしたように、「労働」、「権威」、「責任」を擁護すべき価値として位置づけ、早期に取り組むべき課題の一つとして、「すべての失業者に職業訓練の機会を与え、訓練内容に即した就職斡旋を拒否した失業者には手当給付を停止する」という内容の改革の実現を挙げた。大統領は、各種の改革が膠着状況に陥った場合には、その度に国民投票を行って民衆の意志を反映させると約束。労組や政党などが仲間内で決めるようなやり方を民衆は快く思っていないはずだなどと述べた。2002年に発足したシラク政権の重要閣僚から始まり、10年に渡って国を指導する地位についてきた大統領が反体制のチャレンジャーであるとすれば奇妙な話だが、世論調査で大幅な劣勢に立たされている大統領は、これを挽回の切り札と見定めて最後の賭けに出た。大統領の出馬表明について、中道野党MODEMのバイルー党首は、大統領の比喩を逆手に取って、「船長に任せて船が座礁した以上は、新しい船長が必要だ」と揶揄した。

日刊メディアダイジェスト

CAC40企業のCEO報酬(2011年分)、34%増を記録

調査会社プロクシンベストの集計によると、パリ株式市場CAC40指数の構成40社のCEOの報酬(2010年分)は、平均で411万ユーロに上った。同報酬は2007年分から低下が続いていたが、2010年には34%の増加に転じた。同報酬は過去最高額(2006年分の570万ユーロ)にはまだ回復していない。CAC40に続く大手上場企業80社のCEO報酬平均額は208万ユーロとなり、こちらは31%の増加を記録した。報酬額が最も多かったのは、ロレアル(化粧品)のアゴンCEOで1070万ユーロで、これにLVMH(高級ブランド)のアルノーCEO(971万ユーロ)、ルノー(自動車)のゴーンCEO(967万ユーロ)、ダッソー・システムズ(ソフトウェア)のシャルレスCEO(950万ユーロ)が続いた。また、2011年1月に辞任したアコー(ホテル)のペリソン前CEOは、退職金(500万ユーロ)を含めて920万ユーロの報酬を得た。プロクシンベストは、経営者向け年金の費用負担が開示されていないなど、開示上の欠陥を改めて指摘。また、特別賞与の計算方法が明らかにされていない点も問題視した。なお、CAC40企業のCEOの特別賞与は34%の大幅増を記録、平均で固定給部分の138%にまで上っている。

2012年02月15日 水曜日

朝一番

民間部門雇用数、第4四半期に純減に転じる

INSEE統計によると、2011年第4四半期に民間部門雇用数(農業除く)は前の期比で3万1900人の純減を記録した。0.2%の減少に相当する。雇用数が純減を記録したのは、経済危機の影響が残っていた2009年第3四半期以来でこれが初めて。2011年には、年初には雇用情勢が顕著に回復、第1四半期に8万3400人、第2四半期に5万3600人の純増を記録したが、夏にユーロ圏危機が表面化したのを契機に状況は急速に悪化、第4四半期には純減に転じた。通年では10万8700人の純増を維持しているものの、雇用情勢の回復は当面は望めず、UNEDIC(失業保険管理機関)は2012年に12万3000人強の純減を予想している。第4四半期には特に、派遣雇用が2万5800人の純減を記録したのが目立った。派遣雇用はこれで2四半期連続の後退を記録、派遣雇用は雇用情勢の先行指標と看做されているだけに、純減幅の拡大は、今後の推移が一段と厳しくなることを暗示している。このほか、工業部門で7400人、建設部門で700人の純減を記録、サービス部門(派遣除く)のみが2000人の純増を維持した。

日刊メディアダイジェスト

農薬の健康被害訴訟、モンサントが敗訴

リヨン地裁は13日、元農民が米モンサント社を相手取り起こした損害賠償請求の訴訟で、原告の訴えを認める判決を下した。この訴訟では、元穀物農家のポール・フランソワさんが、2004年4月にモンサント社製の除草剤「ラッソ(Lasso)」が原因で中毒症状に陥り、後遺症を負ったと主張、モンサント社に損害賠償を請求していた。裁判所は、ラッソに溶剤として添加されていたモノクロロベンゼンに関する内容表示をモンサント社が怠ったことを指摘、この不表示と原告の発病の間に因果関係があると認定し、損害賠償に応じるよう、モンサント社に命じた。賠償額は、専門家による鑑定の結果を待って決定される。モンサント社は同日、この判決について控訴を検討するとコメントした。

2012年02月14日 火曜日

朝一番

HADOPI、違法ダウンロード者を初めて提訴

HADOPI(違法ダウンロード対策機関)はこのほど、違法ダウンロードを繰り返した者を簡易裁判所に提訴した。違反者の提訴がなされるのはHADOPIが活動を本格的に開始した2010年10月以来で初めて。著作権者協会は、この提訴で一罰百戒の効果が得られ、違法ダウンロードの抑止につながることに期待している。違反者は1500ユーロの罰金と1ヵ月のインターネットアクセス禁止処分を受ける可能性がある。HADOPIは提訴の対象者数を明らかにしていないが、3回目の警告処分を受けた人はこれまでに165人に上っており、この一部が提訴の対象になる。HADOPIの警告システムは段階的に適用される建前となっており、違反者はまずメールで警告を受ける。違反行為を続けている者には、書留便で2回目の警告を行い、それでも違反が止まない場合には、HADOPIの権利擁護委員会(CDP)が違反者を呼び出して警告を行う。本人ではなく、家人などがが違法行為を行った場合でも、接続契約を結ぶ者が責任を問われる規定となっている。これまでに警告メールを受け取った人は82万2000人、書留で警告を受けた人は6万8343人に上り、CDPに呼び出されたのは165人となっているが、呼び出しに応じなかった人も多いとされる。なお、社会党のオランド大統領候補は、HADOPIによる対策の実効性を疑問視し、HADOPIを廃止して対策を見直すことを選挙公約に掲げている。

日刊メディアダイジェスト

トタル、2011年も巨額の純益を計上

仏石油大手トタルは2011年に、2008年の過去最高純益(139億ユーロ)にほぼ匹敵する122億7000万ユーロの純益を計上した。純益は前年比16%増、調整後純益(在庫評価及び特別要因除く)は同11%増の114億2000万ユーロだった。売上高は16%増の1847億ユーロ。生産量はリビア紛争の影響もあり、前年比1%減の日量234万6000バレルと減産になった。しかし、北海ブレント平均価格が前年比40%の111.3ドル/バレルに達するなど、原油相場が高めで推移したことが増収増益を牽引した。なお、仏企業の中でもトタルの群を抜いた巨額の純益は常に論争の的となっている。トタルのドマルジュリ会長はこの機会に、同社は今年も200億ドルの投資を予定していると指摘、利益を上げてこそ投資が可能となると主張した。加えて国内の170ヵ所の拠点で3万5000人を雇用し、2011年には合計で12億ユーロを納税すると述べ、仏経済への貢献度を強調した。トタルの巨額純益について、産業相を務めた経験もある保守与党UMPのエストロジ下院議員は、中小企業が法人税収の30%に貢献しているのに、トタルが2011年に納める法人税は2.5%にしかならないと批判した。

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